イマーシブ・デジタル・ウェルネスって?
テクノロジーで“癒し”と“健康”をデザインする時代へ。
光・音・温度・香りなどがリアルタイムで反応し、
私たちの感覚と“対話”する空間——それがイマーシブ・デジタル・ウェルネス。
「Phygital(物理とデジタルの融合)」な空間に、AIやセンサーが組み合わさり、
私たちの呼吸や鼓動、感情に応じて、五感をトータルにケアしてくれるという新しいアプローチです。
この体験型ウェルネスは、すでに宿泊施設やスパ、クリニックなどで導入が進み、
「癒し」の新しいスタンダードになりつつあります。
ルスツリゾートの空間演出
最初に心を惹かれたのは、北海道・ルスツリゾートでの空間演出プロジェクト。
三井デザインテックのウェブサイトやプロジェクト紹介によれば、
プロジェクション・香り・音・光・ミストが連動し、
まるで空間そのものが“呼吸”をしているような設計。
「五感で感じるウェルネス空間」として構築されたこの場所は、
まさにイマーシブ(没入型)な非日常体験。(参照:三井デザインテックサイト)
「見る」から「感じる」へ
これまでの癒しは、“きれいな景色”や“ヒーリング音楽”といった受動的な体験が主流でした。
でもこれからは、空間がこちらに合わせてくれる時代。
呼吸、脈拍、気分……その日のコンディションに合わせて、
光・音・香り・温度が自動で調整され、心地よさが最適化される。
こうした取り組みは、ルスツのような施設だけでなく、
ホテル・リトリート・医療空間などでも広がりつつあります。
「癒し」×「体調管理」
たとえば、こんな空間があったらどうでしょう?
今日は自律神経が乱れ気味? → 音と香りで気持ちを落ち着ける
呼吸が浅い? → 光と温度が深呼吸しやすい状態へ
心拍が高め? → 波の映像でリセットしてくれる
五感でリラックスできるだけでなく、
AIが体調をモニタリングし、その人に最適な“整え方”を提供する空間——
そんな体験、ちょっと高額でも試してみたくなります。
🌍海外では、さらに先を行く構想も
VMLが紹介するプロジェクト「Submersive」では、
光・音・香り・映像に加えて、生体センサーや適応型環境を活用し、
訪問者の状態に応じて空間そのものが変化するような体験を設計しているそうです。
このような空間では、神経美学(neuroaesthetics)の観点から、
アートや光の体験が脳や神経系にポジティブな影響を与えることが期待されています。
さらに、これらの空間は「第三の場(Third Space)」として、
家庭でも職場でもない“回復とつながりの場所”として機能する可能性も示唆されています。
“空間とともに整える”未来へ
イマーシブ・デジタル・ウェルネスは、
ただ美しく映えるテクノロジーではなく、
自分の状態に寄り添い、心と身体を整える“メディア”としての可能性を秘めています。
たとえば、
闇の中にゆらめく光、微かな香り、風の揺らぎを感じる時間——
それは、自分にしかわからない“整い方”を見つけるきっかけになるかもしれません。
自然と心がゆるむような体験…自分へのご褒美に、ぜひ。
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